DIAN-J家族会議2017

2017年4月29日(土)・30日(日)に京都市のグランドプリンスホテル京都におきまして、「DIAN-J家族会議2017」を開催いたしました。

本会議は、アルツハイマー病に対して、より優れた治療法を確立することを目的として、2008年より米国ワシントン大学が優性遺伝性若年性アルツハイマー病を対象として取り組まれた臨床研究(DIAN研究)の重要な活動の1つとして、グローバルDIAN家族会議の日本国内バージョンです。グローバル家族会議の初回は、2015年に米国ワシントンにて開催されました国際アルツハイマー病会議(AAIC2015)のサテライト会議として発足いたしました。その後、トロントで開催されました。AAIC2016のサテライト会議として、さらに本年2017年ロンドンでDIAN家族会議2017が開催されました。

ドイツでは、いち早く自国内での家族会議が開催され、大きな成果を上げているとトロントでのグローバルDIAN研究理事会で報告されております。

今回、京都で開催しましたアルツハイマー病国際会議(ADI)のサテライト会議として、公益社団法人「認知症の人と家族の会」の後援で、日本DIAN家族会議2017を開催させていただきました。

家族会議でのご来賓として御臨席をいただきました厚生労働省・大田専門官 (写真1)、日本医療研究開発機構・小久保課長代理(写真2)、認知症の人と家族の会・田部井理事(写真3)、日本認知症学会・秋山理事長から本会議の趣旨への賛同と激励の御言葉をいただきました。これは、2015年に策定されました新オレンジプランの7つ目の施策柱である認知症の人と家族の視点の重視というコンセプトと一致していることは言うまでも無く、グローバルのDIAN研究の方針とも合致するものでDIAN-J一同前例の無い活動の方向性に安堵した次第です。実際、ご参加されたご家族からは、会議内容に期待していなかったが、思いを共有できる家族の方とも触れることができたことを喜んでいただきましたし、DIAN研究の意義をより深く知る機会となったとの感想が寄せられております。

写真1:ご挨拶(厚生労働省 大田秀隆・専門官)
厚生労働省として、患者、家族を支援する、本家族会議の意義は高く評価したい、との御祝辞を頂きました。

写真2:ご挨拶(日本医療研究開発機構 小久保学・課長代理)
DIAN-J研究は、臨床研究であるが、患者、家族を支援する立場を意識している理念は本来の臨床研究の在るべき姿である、との御祝辞を頂きました。

写真3:ご挨拶(公益社団法人 認知症の人と家族の会 田部井康夫・群馬県支部長)
先代の高見代表理事時代からDIAN-J研究には家族会も協力してきたので、大きく期待している、との御祝辞を頂きました。

写真4:DIAN-J家族会議2017資料冊子

会議のプログラムは、別添えの資料(写真4)にありますが、開会挨拶の後(写真6:会議風景1,写真7:同2)、ベイトマン教授の基調演説(写真8)が同時通訳付きでおこなわれ、遺伝性アルツハイマー病から子どもを守る医療について熱くご紹介されました。また、米国での家族会議の風景と家族の生の声をビデオで紹介下さいました。 つづいて、東海林教授 (弘前大学・写真9)から弘前での実施を中心にDIAN-Jの紹介をしていただきました。

写真5:会議室の入り口

写真6:家族会議風景

写真7:家族会議風景

写真8:米国ワシントン大学ランダル・J.ベイトマン教授・DIAN研究・DIAN-TUディレクター(総指揮主任研究医師)
全世界の家族性アルツハイマー病の臨床研究と新薬治験を説明されました。

写真9:弘前大学 東海林幹夫教授・DIAN-Japan 臨床部門責任者
DIAN-J研究について具体的に説明されました。

ちなみに米国人はベイトマン教授だけですので、後は日本語でおこなわれました。嶋田特任教授(大阪市立大学・写真10)からは新薬を用いた治験について説明をされました。

休憩を挟み、ご家族から自由発言のセッションがあり、3名の方から各家庭の事情、抱える問題と悩み、新薬への期待などが語られ、参加者の深い共感を分かち合うこととなりました。

その後、中澤講師 (東京大学・写真11)からはウェブ上での家族交流サイトの紹介、池内教授(新潟大学)からはDIAN-J研究の今後の流れについて方針を述べられました。最後に、鈴木助教(東京大学)が家族会議全体を総括されました。

写真10:大阪市立大学 嶋田裕之特任教授・DIAN-Japan主任医師
日本における家族性アルツハイマー病新薬治験 (2018年~スタートする予定です)について解説されました。

写真11:東京大学 中澤栄輔講師・DIAN-Japan研究メンバー
患者同士の交流サイトのご紹介をされました。これは患者、家族だけのためのサイトですので、医師は入れません。

第2部では、川勝教授 (福島県立医科大学・写真12)と石井部長(東京都健康長寿医療センター・写真13)のご挨拶があり、DIAN-J家族会議の意義、そして交流会ついて丁寧にお考えを紹介していただき、同時に活動の意義と方向性をご紹介していただきました。

写真12:福島県立医科大学 川勝忍教授・DIAN-Japanメンバー
意見交換会で、家族会議の意味について易しく紹介されました。

写真13:東京都健康長寿医療センター 石井賢二部長・DIAN-Japanメンバー
DIAN-J研究の検査でのMRIやPET脳画像責任者として検査の重要性を解説されました。

日本国内だけではなく、米国でも同じく外部家族との交流が多くないケースも多いことから、ご家族同士、家族と医師との交流、意見交換が予定より1時間も長く落ち着いた雰囲気でおこなわれました(写真14-16)

写真14:意見交換会でのスナップ
食事を交えながらのフリートーク。ミニ相談会と意見交換会となりました。

写真15:プリンス名物のジャンボハンバーグ(直系50cm?)
ホテル自慢のハンバーグの味は最高に美味でした。

写真16:DIAN-J至高トリオ
左から、藤井、白戸、平井女史。ほぼバイリンガルの三女史は、米国とのパイプ役と同時に、患者さん、ご家族の支援者として活躍されています。

最後に、開催にあたりましては、DIAN-Jとエーザイ社の共催をベースに、MSD株式会社、株式会社ツムラ、株式会社免疫生物研究所、GEヘルスケア・ジャパン株式会社、第一三共株式会社、日本イーライリリー株式会社、日本ケミファ株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、バイオジェン・ジャパン株式会社、富士フイルムRIファーマ株式会社、ヤンセンファーマ株式会社各社から温かな協賛支援をいただくことができましたことより、無事開催にこぎ着け大きな成果実績となりました。此処に記して心からの感謝を申し上げます。

平成29年8月1日
森 啓(文責)