優性遺伝性アルツハイマー病への新薬投与が日本でも始まります。

DIAN-TUとは、優勢遺伝性アルツハイマー病(DIAD)の新しい治療研究のことで、優性遺伝性アルツハイマーネットワーク試験ユニット(DIAN trial unitの略称)です。優勢遺伝性アルツハイマー病は、ADAD:Autosomal-Dominant Alzheimer's diseaseの略称として記載されていたこともありますが、最近ではDIAD:dominantly inherited Alzheimer’s diseaseと呼称されるようになってきました。医学用語は、時代と共に、名称が変化する事があるので、少し混乱する場合もありますが、できる限り世界の流れに準拠して表記するようにしています。

このDIAN-TUは、DIADの可能性のある(発症リスクのある)家族のための世界初の予防試験で、未承認の新規薬剤をもちいることから、専門用語となりますが「介入療法」試験と呼ばれています。無治療のままでは、約25年間を掛けてアルツハイマー病が徐々に進行することが知られていますが、この疾患経過を潜在的に「変える」ことができる薬物に焦点を当てています。これらの薬剤の安全性、忍容性、有効性を評価し、脳のアルツハイマー病の変化を予防、遅延、または逆転させることができるかどうかを判断する挑戦のことをDIAN-TU研究と言います。

このDIAN-TU「介入療法」は、セントルイスのワシントン大学医学部によって考案され、米国FDA(日本の厚生労働省の外郭組織で新薬治験の監督官庁であるPMDAに相当します)によって認証された臨床試験です。試験名はDIAN-TU-001と云い、優勢に遺伝したアルツハイマー病のリスクのある個体における2つの潜在的疾患修飾療法のフェーズⅡ/Ⅲ無作為化、二重盲検、プラセボ対照多施設研究のことを意味します。現在、第2段階目の新薬挑戦が始まっており、日本でも2018年から治療が始まることが決定しました(2017年12月)

ベイトマン教授からのメッセージ *1

私たちワシントン大学チームは、日本もDIAN-TU臨床試験に参加することを喜んでいます。 DIAN-Japanと日本の研究者の尽力によって、常染色体優性遺伝性のリスクを負った日本の御家族の皆様は、目標となっている「次世代試験」DIAN-TUに参加する機会を得るでしょう。

DIAN-TUディレクター(総指揮主任研究医師)
ランダル・J.ベイトマン教授

*1: 原文(2017年12月23日)
"We are delighted that Japan is joining the DIAN‐TU Trial. Through the hard work of DIAN‐Japan and Japanese investigators, Japanese families with autosomal dominant Alzheimer's disease will have the opportunity to participate in the landmark DIAN‐TU Next Generation Trial."
Randall J. Bateman, MD, Director, DIAN‐TU